誰かが始める断片劇
道中、私は師匠から渡された原稿用紙を読んでいた。


その内容は、



『拝啓
旅立つ勇者、ハディス様へ


え~ 早起きするのがだるいのと、なんか、直接見送りとかするのは、死亡フラグ立ちそうだったので、伝言を残すことにしました。

でも、ぶっちゃけ伝言でいうこともないようなきがしたのでこれで終了……え、何?……もっと何か言え?


いや、でも、ホントに何も……ああ、じゃあ、お体に気をつけてくださいとかでいい?


うん、じゃあもっかいやり直そう。


拝啓……って、そのまま続けちゃうの?………は?紙がもったいない?……まあ、いいや。


じゃあ気をとり直して………ってゴキだ!ゴキが出たよ!
ちょっと師匠さんの家ボロすぎじゃ……


誰の家がオンボロですか!


うわ師匠さん声がでかいよ!

でかすぎて音入っちゃったよ。

いや、ていうかさっきからこの紙僕の台詞ほとんど録音してるから手紙の内容がなんかカオスなんだけど……


あ~……もういいや、ゴホン。


じゃあ今度こそしきり直して……


ハディスへ


僕が君に特別言いたいことは、ぶっちゃけあんまありません。


まあ、死なない程度に頑張ってください。


そんで、帰ってきたら今度はどっかに遊びに行こう。


え~と、それから………は?もう紙がない?

無駄なことばっか書かせるから……ていうか、この文こそ無駄……っていうか、うん、じゃあもう終わろう。


はい、これで終わり!マジで終わり。

君の唯一の大親友より』


というものだった。


なんというか、その手紙はあまりにも、あまりにだった。


しかし、私はその内容を読んで、


「……ふふ」


笑ってしまった。


「何をやってるんだよ君は」


あと師匠も。


……だけど、


「ありがとう、リオン」



そして、さようなら。
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