サファイヤアンドロイドの夢
「脱獄って意味だよな?」


「……なぜそんなことを聞く?」


「べっつに~。この状態が檻に閉じ込められてるみたいだなって思っただけだよ、〝ジェイル〟。」


に、と口元だけをあげて笑う男の真意が掴めない。


「んじゃ、俺、寝るから。レイドが見つけに来たら起こしてよ。おやすみ。」


男はそう言うとシートに深々ともたれ、腕を組んで目を閉じる。

誰にも言った事などなかった。
私の名前、ジェイルと言う名。
Mr.Dがつけた私の名。
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