漆黒の瞬き
   
そんなお婆さんも昔の頃を思い出しては、溜め息をつくのでした。

会話もしない二人。
特にお爺さんは、ここ二、三日声を出していません。
喋る必要が無いのです。
お互いがお互いの事を知り尽くしてしまっている。
刺激が無くて、活力が湧かないのです。

二人の愛は冷めてしまっていました。

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