約束の花~命と恋の物語~



悠哉は泣く。


「…泣かせんなよ…」


涙を拭いながら言う。


「泣くのはまだ早えーぞ」


俺は屋上のドアを指差す。


そこにいたのは、


「…佳奈」


悠哉は慌てて涙を拭って驚く。


「…悠哉が…祥と、屋上行ったから…」


佳奈は辛そうな顔をする。


教室を出る瞬間に佳奈が目で追っていたのは、


悠哉。


「…で?お前、祥に告白でもしに来たわけ?」


…うわー。


キツイ台詞だな…。


「…違うよ…でも、告白しに来たのは本当。」


佳奈が何かを決心したような顔をした。


「…悠哉に、告白しに来た。」

「…俺?」

「うん…」



< 120 / 258 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop