幻月幻夢
「そんなに怒らなくても良いじゃない!!」


紀良と紫刹の間に割り込み、私は紫刹を睨んだ。


「お前は、黙っていろ。」


「黙らないわ!なんであなたはそんなに冷たいの?私、あなたが嫌いよ!!」


私がそう言うと紫刹は、眉をピクリと動かした。


「俺が嫌いか?」


「ええ、嫌いよ。」


「そうか、それで良い。俺を嫌いになれ。」


(え・・・?)


紫刹は、嫌いになれと言いながら悲しそうな顔をしている。


(どうしてそんな顔をするの?)


紫刹は、私の心をよんだのかすぐにいつもの冷たい表情に戻ってしまった。





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