「囚われ姫~星屑は魅惑の花の香に抱かれて~」
アネモネ
「これ、連絡先。何かあったら連絡ちょうだい?奪いに行ってあげる」
「誠くん?奪いに来るって…」
「任せてよ。昔みたいに悲しませないよ、刹那先輩?」




“先輩”ーその懐かしい響きにあたしは目の前の誠が初めましてじゃないことを思い出す。




「たけちゃんの親…友?」
「思い出しました?」




言葉を無くして立ち尽くすあたしに、誠は辛そうに笑った。
たけちゃんの彼女だった頃に見たあの辛そうな顔で。

< 15 / 103 >

この作品をシェア

pagetop