パーフェクトティーチャー
「ねえほたるどうした?
全然元気ないみたいだけど、大丈夫?」


「うん、ありがとう。
大丈夫だから」


ほたるが笑顔を返した相手はクラスメートの桜井智香だった。


プロ野球の人気チームの看板選手の娘。


智香自身もスポーツ万能だ。


入学式のときは、ありとあらゆる運動部から勧誘されたほど運動神経に長けていた。


本気でスポーツに打ち込んだらオリンピックも夢じゃないかもしれない。


その上、学園で一番ショートヘアの似合う女子。


性格もサバサバしていて同性からも好感を持たれる子である。


「私ってさあー、そんなに元気なさそうに見えるかな?」


「うん。
私にはわかる。
悩みを抱えてるオーラをバンバン出してるように見えるもの。
異常なくらいにね」


なかなか鋭い女だ。


ほたるは感心した。


智香には嘘やごまかしはききそうにない。


彼女のそんな性格をほたるは心のハードディスクにインプットした。



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