KISS

「・・・誰それ」


息を切らした巧があたしに近づく。


あたしはその一言に思わずキョトンとした。


「誰、って・・・」


「あれ修羅場かコレ。」


ひとり間抜けにあたしと巧の顔を交互に眺める。


「・・・誰」


巧がもう一度あたしにとう。


陽ちゃんは大声を張り上げた。


「それ、本気で言ってんの!?うわあ・・・」


陽ちゃん悲しい!


そう言って陽ちゃんがあたしにしがみつく。


その行為に巧は眉を潜めた。


・・・あー、今は手にとるようにわかるよ、巧の気持ち。


絶対に勘違いしてる。
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