KISS

変化の兆し


朝7時前。


「巧っ、いい加減に起きて!」


カーテンを開ければ、眩しい朝の光が部屋に差し込む。


「たーくみっ」


「・・・、ん」


うっすらと巧の目が開き、ぼんやりとあたしを見つめる。


「朝ごはん食べよ?」


「えみ」


突然巧はあたしを腕の中に捕らえた。


「た、巧・・・っ」


「・・・えみさ、」


あたしの腰に腕をまわし、頭をあたしの肩にもたせたまま呟くのは1番言われたくない一言。


「最近太った?」


「は」


「いや、腰周りがなんか・・・」


「失礼なアアアア!!!」


バキッ!


・・・朝から殴り倒して、また眠りにつかせてしまった(←眠りとはだいぶ違う)。
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