夏の君を
「浅倉は…元気か?」



あたしのお父さんは昔、甲子園出場経験があり、その時バッテリーだったのが、浅倉先生らしい。


ま、体型からしてどっちが捕手でどっちが投手かは察してほしい。



もっとも、浅倉先生はあたしがかつての戦友の娘だとは知らないが。



「元気元気。いつも大きい声で怒鳴ってるよ。」



「今度差し入れ持っていってやるわ。」



「ごちそうさま。」


夕食を食べ終えたあたしは、自室に戻った。




そのあと、お父さんは1人でポツリと呟いていたらしい。




「甲子園行ってくれよ。恭。」
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