アカイトリ

予感

夢を見た。



遠くで、誰かがずっとわたしを見ている――



誰だ?


誰だ…?


ぼやける視界に、うっすらと赤い姿が見える・・・


誰だ?


この香り…


碧では、ない。


同じだ。


同じ香りが、する…





『見つけた…


 やっと、見つけたぞ……』





かすかに聞こえた声は、男。



誰だ?

わたしを、知っているのか?


もし、知っているのならば…



わたしが何であるのか、教えてくれ――



わたしは、わたしが分からないのだ。


わたしのことを、教えてくれ――




『朱い鳥よ、

 
 お前は、俺とつがいになるのだ――…』



誰だ…


誰だ?



わたしと、つがいに…?



それは、つまり――




お前も、朱い鳥なのか……?
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