龍奇譚-彼女の秘密-
第0章

夜空に浮かぶモノ






――――――………



何もかもを黒く、暗く染める夜の闇を満月が照らす中。



俺は家へと続く道、住宅街を歩いていた。



部活が終わり、疲れた足を動かして。



これほどまでに、家が遠いと感じたことはなかった。





薄暗い道を照らす明かりは、点々とそびえ立つ街灯と月明かりのみで。



しかもその街灯は今にもこと切れそう。



何度も、明滅を繰り返している。





< 1 / 665 >

この作品をシェア

pagetop