龍奇譚-彼女の秘密-





「じゃあ、そろそろ帰りますね」



俺はその場から立ち、部屋を出て行こうとした。



「あら、もう帰っちゃうの?

まだ、居てもいいのに」

「いえ、流石にそう言う訳にもいかないので。

カバンも学校に取りに行かないとだし……」

「カバン…?カバンってあれの事?」



龍宮が言って指を差した先、

庭にあったのは屋上に置きっぱなしになっているはずの、

俺のエナメルバックだった。





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