~リアル昔話し'08~

-6-

 母は若い頃、父親が分からない程、次々相手を変えては欲求を満たしていたらしい。

 そしてとてもじゃないけど僕を育てられない…という理由で隣に住んでいたおばあちゃんが預かったらしい。


 生々しい出生の事実を聞かされて更に絶望した。


「き、聞いていいかな…じゃあ、僕、空は翔べないの?」

 おばあちゃんは笑って答えてくれた。


「翔べるわ…大人になったらね」


 この時、幼少の頃から抱き続けていた僕の夢が空に消えた瞬間だった。


 代わりに幾つか勉強になった。


① 世の中には、祈っても願っても、どうにもならない事があるみたいだ…。


② 世の中には知らない方が幸せな事もあるみたいだ…。



 -完-
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