~リアル昔話し'08~

-日記-

8/15

《今日、家の庭に玉手箱を埋めた。あれから一週間が過ぎたが、今だ未練は絶ち切れない…。それどころか、後から後から湧いてくる。
 俺はなんとしてでも竜宮城へ戻るんだ。》


8/16

《近所の小童どもに金を渡し、亀を死なない程度に痛めつけさせ、適当なところで助けに入った。巧く釣れるといいが…。》


8/17

《どうやら策は巧くいったようだ。予想通り助けた亀の使いが話し掛けてきた。 思った以上に傷は深かったが問題ない。
 そろそろ出発の準備をしなければ。明日の今頃は再び竜宮城だ。》




8/22

《なんだこれは……何だ、何だ、何だ、何だ、なんなんだこれは。なんだこの醜い老人のような姿は…。これが俺なのか。街は、家は、母は…何処にも見当たらない。海から戻った途端、何もかも変わり果ててる。》


8/23

《見慣れた廃棄を見つけた。中から見つけたのはこの手帳と母の亡骸だけだ…。これが住みなれた古里なのか…まるで時間が早送りされたようだ…。亀だ…亀を探さければ。何処だ、何処にいる。俺に何をした……。》
< 40 / 40 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

“乞食の独り言”

総文字数/382

その他1ページ

表紙を見る
-The Real Me-

総文字数/13,808

ミステリー・サスペンス32ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop