+.*ベッドの上の王子様*.+【完】

わかってる。


もう先輩は、あたしだけをその腕で抱いてくれる。


だけど、恋する気持ちはやっぱり変わらなかった。


呼ぶときだって、昔の名残で『先輩』と呼んでしまいペナルティを食らうこともある。


ペナルティは・・・ダメだ思い出すだけでも恥ずかしい。


でも、『レイ』と呼ぶと自分から呼んでほしいと言ったくせに、ほんのり顔を赤くする。


そんな仕草さえも愛しくて、背中を見ていると溜まらずキュッと抱きついてしまう。


「レイ・・・起きて。朝だよ。」


あたしは、愛しい人の名前を呼ぶことがこんなにも幸せなことを初めて知った。


少し、くすぐったい。


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