略奪愛の結末
「真紀 そんな難しい顔しなくても 篤朗には
それとなく話ておいたよ。」

兄貴が得意げに言った。

「メグは 元気だったの?どこで何を今までしてたんだろ。」

俺の言葉に 真紀は眉間に皺をよせた。

「は?何の話してんの?」

「メグのことだろ?旅行とこっちにくる話は
先にしておいたよ。だからあとは安心して言えよ。」

兄貴は俺の肩をポンポンと叩いた。


「卓朗~~~っ!!!!」

真紀が鬼のような顔になって 兄貴の背中を三回
音をたてて叩いた。


「いてっ…何よいったい!!!」

「ほんとあんたって バカじゃないの?
誰がメグのこと 篤朗に話していいって言ったの?
メグは絶対に言わないでって言ってたでしょ?
もうホントに あんたって……もっとしっかりしなさいよ!!」

真紀はヒステリックに声をあげた。

それから延々と兄貴は ヤキが入った。


「ごめん。俺もマリには話すつもりはないから
兄貴を許してやって。」

「ほんとにもう……メグのことは…
篤朗にこそ話さないでって言われてたのに。」

「何で?篤朗ならいいじゃん。」
兄貴は 俺とメグの関係を知らない。

真紀は大きなため息をついた。
メグは 真紀に俺とのことを話したんだと確信した。

「そんなことよりもっと重大なことなの。」

真紀は俺の肩を 思いっきり叩いた。
< 261 / 365 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop