略奪愛の結末
高校を卒業した姉は 進学せずにそのまま
就職をした。


頭のいい人だったけど
あの頃はわからなかった。

それはきっと私のためだった。

祖父母は 叔母家族と同居することになり
私たちには住みづらい家になっていた。


小学校の頃 姉とアパートで暮らし始める。

留守番はさみしかったけど
それでも 子供心に気を使わなくてもいい
それがうれしかった。


私も小さいながらよく手伝いをした。

「マリは本当にいい子だね。
お姉ちゃん助かるよ。」

そういうと姉は私の頭をたくさんなぜてくれる。

「マリがいるから 頑張れるのよ。」

「うん。マリも頑張るからね。」

「私たちこの世の中に 二人っきりの
家族だものね。いつまでも仲良く…
暮らそうね。ずっとずっと……。」

幼すぎてその約束の重さはわからなかった。

一緒にいるに決まってるよ。
私の大好きなお姉ちゃんだもの。
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