略奪愛の結末
マリの葬式にはたくさんの人たちが参列してくれた。

「若いのに……。」

遺影のマリがあまりに若々しく可愛い
それがまた 参列者の涙を誘った。

幼稚園ママや サッカーの保護者も
マリの死に涙を流してくれた。

飛勇は式中 ずっと泣かないで頑張っている。

スケッチブックとクレヨンをもって
時間があれば絵を書いていた。

「飛勇…寝たら?」メグが言った。

「ママとお話ししなくちゃ…絵も一杯書いたから
教えてあげるんだ。」

棺の窓を開けて 飛勇はずっとそばで絵を書いていた。

「飛勇 大丈夫かしらね。」

さすがに母親も心配している。
病院で マリが死んだと聞かされたあとから
飛勇は泣かなかった。

みんなが涙してても 飛勇はマリのそばで涙を見せなくなった。


メグがプレゼントしたスケッチブックとクレヨンをもって
マリに話しかけながら絵を書き始めていた。

誰もが飛勇を心配していたが告別式にも
たくさんの人が来てくれた。


職場からもたくさん来てもらって対応するのが大変だった。
その間も飛勇は 絵を描き続けている。
メグが傍らにしっかりついてくれていて安心した。


とうとう別れの時だった。

参列者が花を入れてくれてマリは美しい花に
囲まれて安らかな寝顔のようだった。

「飛勇 さよならするよ。」
抱き上げようとしたとき

「まだ まだ!!飛勇まだ絵書いてるもん。
終わってない!!ママと約束したもん!!
まだまだ終わってないんだもん!!」

飛勇が叫び始めた。

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