略奪愛の結末
落ち着いたメグさんはすぐに マリを心配した。

「今日 マリは友達の家に行ってるから…
明日の午前中に家に戻りたいの。
篤朗…迎えにきてくれる?」

「もちろんだよ。今夜はちゃんと休んで。」

「うん。マリにはばれたくないから・・・。」

「わかってるよ。」

「マリの前では私 ちゃんとした人間でいたいの。
今までだってそうやって頑張ってきたから…。」

マリが不倫のことを知ってるとは
メグには絶対に話せないなと思った。

「あさっては俺がマリを連れ出すから
ゆっくり休んでたらいいよ。」

「ありがとう篤朗……。」

後ろ髪をひかれる思いで病院を後にした。
今頃きっと あの人は泣いている。

あの人なりに真剣に恋をして
子供ができたのも嬉しかったんだろう。

「メグさんらしいな……。」

柔らかな体を思い出して俺は気持ちが高ぶった。

「俺 愛してんだよ メグさん。
初めてメグさんに会うまえからずっと……
そしてメグさんに会ってからもずっと……。
誰にも渡したくない……。
俺がメグさんを幸せにしたいんだ。」


メグさんが泣いている・・・・。
外の雨は強くなる一方だった。
< 44 / 365 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop