に じ い ろ~Rainbow Days~
「…さっきから聞いてれば、ごちゃごちゃごちゃごちゃ…」
つかつかと上履きのかかとを鳴らしながら藤堂に近づく中川くん。
あと一歩、というところで止まって、睨み合う二人。
言葉じゃ言い表せないくらい張り詰めた空気に、誰もがなにも言えずに二人を見守る。
「…てめぇは、何様のつもりなんだよ!!!!」
振り上がる拳
沸き起こる悲鳴
ざわめきが戻った教室
全部がスローモーションみたいに感じる中で、私は、
藤堂の身体を全身でぶつかって突き飛ばす。
刹那、頭に走る衝撃。
全身が深い海にずぶずぶ沈んでいく感覚に、意識を手放した。