に じ い ろ~Rainbow Days~






「…なら俺ら、待ってるよ」

「…いい」

「上原」

「いいってば」

「上原!」



藤堂に腕をつかまれる。


それにすら、ときめいて。


それが、どうしようもなく悔しくて、やるせなくて…





「っ…



いいって言ってんでしょ?!」






静まる教室


赤くなった藤堂の手



呆然と私を見つめる、藤堂




その傷ついたような目が、耐えられなくかった。






「…っごめん…」




かばんをつかんで、机に何度かぶつかりながら…教室を出る。



浅い息を繰り返しながら、走った。



ちょうど下校の時間だから、廊下にはたくさんの人がいて。



変な目で見られても、走り続けた。








走って、走って、走って________









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