に じ い ろ~Rainbow Days~
震える指で、レナのスマホの番号をタップする。
聞こえてくるのは、『おかけになった電話番号は…』なんてただ繰り返す女の人の無機質な声だけ。
何度かけても、何度メールしても、レナには繋がらない。
お願いだよ。出てよ、レナ。
いつもみたいに明るい声を聞かせて。
「冗談だよ」っていたずらっぽく笑ってよ。
ねえ、冗談でしょ?そうだよね?
レナが冗談大好きだってこと、私、知ってるんだから________
震えが止まらなくて、両腕できつく…自分の身体を抱きしめた。
わかんない。わかんない。わかんない…
ううん、ほんとはわかってる。
レナは、私のせいで死んだんだ。
全部全部、私のせいだ。
私のせいで、
レナの笑顔も
レナの声も
レナの未来も
消えてしまった。
謝るはずの『明日』も、
消えてしまったんだ。