に じ い ろ~Rainbow Days~






震える指で、レナのスマホの番号をタップする。


聞こえてくるのは、『おかけになった電話番号は…』なんてただ繰り返す女の人の無機質な声だけ。



何度かけても、何度メールしても、レナには繋がらない。



お願いだよ。出てよ、レナ。



いつもみたいに明るい声を聞かせて。


「冗談だよ」っていたずらっぽく笑ってよ。




ねえ、冗談でしょ?そうだよね?


レナが冗談大好きだってこと、私、知ってるんだから________





震えが止まらなくて、両腕できつく…自分の身体を抱きしめた。




わかんない。わかんない。わかんない…



ううん、ほんとはわかってる。







レナは、私のせいで死んだんだ。



全部全部、私のせいだ。




私のせいで、


レナの笑顔も

レナの声も

レナの未来も





消えてしまった。








謝るはずの『明日』も、







消えてしまったんだ。








< 30 / 417 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop