に じ い ろ~Rainbow Days~
スタートラインに立つ。
100m先の白いゴールテープが、随分と遠くに見える。
一人で準備運動をしていると、アナウンスが選手の紹介を始めた。
『第三レーン。二年四組、笹島 由佳さん』
ゆかー!
いいんちょー!
笹島さんの名前が呼ばれると同時に、ワッと沸き立つ私たちのクラスの応援席。
さっきと同じ、太陽みたいな笑顔でその声援に応える笹島さん。
『第四レーン。二年四組、上原 ヒカリさん』
…静かだなあ。
笹島さんみたいに、私たちのクラスから声援が送られるなんてことはなく。
別に、そんなことを期待していたわけではないけど。
少し。少しだけ、胸の奥がぎゅっとなった。