黒神×銀姫【番外編集】
「…………コレは要らねぇか」
「……要らなくなった、だな」
那月は指先でクルクルとチップを転がす。
「…………何つーか……あいつ等の強さは、見ていて痛々しい」
「どこまであいつ等に似てんのか聞きたくなるぜ」
拓真ははぁっと息を吐き出しながら言った。
「行かないの、2人とも」
綺羅はきょとん顔で襖に手をかけていた。
「あぁ、行く。
……お前、さっきの演技だろ」
「あり?暴露た?」
ペロッと舌を出す綺羅は女だ女。
「あーでもしないと、あの鈍感等気づかなさそうなんだもん。
あーゆーとこは麗桜に似たよね」
クスクスと笑う爽は襖にもたれかかっている。
「…………要らなくても、必要となる時がくるかもしれません。
残しておきましょう……
2人の財産を…」
爽は那月の指先からチップを抜いて小さなガラスで作られて赤いクッションがひいてあるものに入れた。
「……あぁ」
那月達は誰からともなく空を見上げた。
まだ、そっちにはいってねぇか?
なら、頼む。
連夜と麗夜…………
親として、強くしてやれよ。