あなたの声




「琉都前髪邪魔じゃない?」

「ん~あ~まぁな」

「ピン止め持ってるよ?止めてあげようか?」

「あ~じゃあうん」

女の子はそう言って席を立ち上がり
机の横にかけてあった鞄を手に取り
中から可愛い水玉のポーチを取り出した。

そしてピン止めを1つ出し
琉都の髪に触れた。


やめて…
琉都に触らないで…

ただ単純に嫉妬かも知れない。
琉都はなんの悪気もないかも知れない。
でもあたしにとっては
とても重要で辛いこと

「さんきゅ。
ちょっと俺成美んとこ行ってくるわ」

それを聞いたあたしは
ダッシュで教室とは反対方向に逃げた。

今は琉都話したくない気分だった。
沙希には口合わせしてもらって...
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