ブスな彼女


4時間目は自習で机で寝ていたら、生活指導のハゲ山が教室に入ってきた。


「中庭でボヤがあった。野瀬! またお前だろ!」
いきり立つハゲ山。


はぁ?なんで俺?

「しらねぇっつーの…。」


1年の時、タバコ吸ってたのを見つかって以来、目の敵にしやがって…。


胸糞悪く、机の脚を蹴ってやった。


「なんだ!その態度は!」


クラスの奴らは皆、見て見ぬふりしている。
教室を出て行こうとしたら…。


「先生、その人じゃありません。だって休み時間、図書室にいましたよ。」


教室の端の女が立ち上がってハゲ山を真っ直ぐ見て言った。


前の方の2人の男子を指さし、

「あの2人が中庭にいたみたいですから犯人を見たりしてるんじゃないですか?」


ハゲ山は戸惑うように男子生徒と女を交互に見ている。


言われた男子は明らかにうろたえている。


「そ、そうか。」

「先生、謝らないんですか?」


女がよく通る声でハゲ山を非難する。


「!……わ、悪かったな…野瀬。」


顔を青くさせて、渋々謝った。
小さい声で…。



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