今宵、跡が残るくらい
□Leave one's






カランという音を鳴らし照明が薄暗くモダンな雰囲気のカフェに入る。


いつもの席に君の後ろ姿が見え他は見向きもせずそこに一直線する俺。





「待たせてごめん。思ったより長引いた」

「大丈夫よ。私も来たばっかりだったから」





そう言って振り向いた君を見て、その日が来たんだと気付きハッとした。


案の定。


少しの雑談の後に君は…





「今日でこの関係を終わりにしたいの」





悲しそうにそう言った。





「そうか」

「ごめんなさい」





いや、君が謝る事はないよ。


それにいつかはこうなる事を知ってた上で俺達は続けてきた関係だろう?


何たって君は夫が居る身なんだから。



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