狼彼氏に甘いキスを
「なぁ、いいだろ。」
「遊ぼうぜ。」
そして、再び危機。
というかまた絡まれた。
言い返すべきか。
少し考えて、七瀬と豊岡くんの顔が浮かぶ。
どうしようか…。
考えている間にも男子達は迫ってくる。
「聞いてんの?」
「どうにか言えよ。」
苛ついて暴言が出そうになった時、男子の一人が倒れ、次にもう一人も倒れる。
二人しかいなかったからあたしに絡んで来た男子はもういない。
「ヒーロー登場。」
豊岡くんの声が上からした。
「大丈夫?夏織チャン。」
――――本当にヒーローみたい…。
不覚にもそう思った。