狼彼氏に甘いキスを

 だけど治す気はない。

 というか治らない。
 治ったら地球が変わる。


「あぁ?」


 案の定、あたしを囲む男子は青筋を立てた。
 でもあたしも止まらない。


「聞こえなかったの?それともお馬鹿さんには理解できない?」


 こういう時にわざと相手を怒らせる喋り方をしてしまうのも悪い癖。

 もちろん、治らない。


「てめェ、ちょっと可愛いからって調子乗んじゃねぇよ!」


 声を荒げ、あたしの胸ぐらを掴む男子。

 まさか手を出されるとは…。


「離して。馬鹿が移る。」


 強気に出たが、これからどうしようか…。

 男子に力で敵うわけないし。

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