蘭蝶Ⅲ【完】
晴人「…自分を変えたかった、から」


“自分を変えたかった”


…俺も、そうだった


何もできない自分が嫌で

どうすることもできない無力さ

荒れて荒れて、いきついたのが蘭蝶だった


蘭蝶に入ったのも、やっぱり晴人と似てる理由

そんときの総長に声かけられて、拾ってくれて


最初は“仲間”とかくだらねぇ

って思ってた

自分には、そんなもの必要ないと


でも、徐々に“仲間”と思えるようになった

…気付いたら、仲間って思ってたんだ



晴人「今でも、高松組に入ったのが正しかったのか分からない。

…覚悟が出来てないんだよ。

裏の世界に入る覚悟が。

世間一般からみたら、高松組は悪い組かもしれねぇ。

でも、内部の奴だからこそ分かることもある。

今の高松組は……





姉さんが仕切ってるもんだ



組長はそれに逆らえねぇ」








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