センセイと一緒 ~feel.Naoki~



「じゃあ四つ目。……これは君だけで決められることじゃないから、すぐに返事が欲しいってわけじゃないけど」


直樹は鈴菜の顔を見ながら言う。

鈴菜は首を傾げた。


「実は俺、土日に秀栄塾に行ってるんだ」

「秀栄塾?」


秀栄塾は桜羽市の中でもトップクラスの進学ゼミナールだ。

入塾するにも試験があるらしく、ある程度の成績でないと入ることができない。


「で、可能なら、鈴菜も一緒にどうかなと思って。そうすれば土日も一緒に居れるしね」

「……な、なるほど」


ふむと鈴菜は考え込んだ。

確かに一石二鳥?かもしれない。

しかしこれは親に聞いてみないと何とも言えない。

鈴菜は頷き、口を開いた。


「帰ったら親に確認してみるよ。また明日、返事するね?」


鈴菜の言葉に直樹は嬉しそうに笑った。

……爽やかなその笑顔。

もう何度も見ているのに、やはり見るたびにドキッとしてしまう。

二人はしばらく公園で話した後、それぞれ帰途についた。


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