センセイと一緒 ~feel.Naoki~
二章

1.近付く距離




9月の初め。

鈴菜は進路指導室で面談を受けていた。

沢村先生は鈴菜の成績表をチェックしながら、さらさらっと手元のメモ帳に何やら書き込んでいく。


「えっと、森下さんはK大の人文学部が第一志望ね?」

「はい」

「今の模試の成績だと、B判定ね~。まずはこれをAに上げたいところね」


ふむふむと沢村先生は頷きながら成績表を見る。


「国語と英語はこのままキープ。数学はちょっと弱いから、まずは数学の偏差値を来月末までに5ポイント上げることを目標にしましょう」

「はい」

「生物も同じね。来月までに5ポイントアップ。日本史と世界史はこのままでOKよ」


沢村先生は言い、目尻の皺を寄せてにこりと笑った。

やはり特進クラスを毎年受け持つだけのことはある。

きめ細やかなアドバイスに、鈴菜はなるほどと頷いた。


「来月の頭にセンターの出願があるから、忘れないようにね?」

「はい」


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