怪談短編集
業者が来たのは、昼間だった。
「あれでは、駄目でしたか。では、今度は、これを使ってください」
渡されたのは、四角い板にバネらしき物をつけた物。
「これ、何ですか?」
「これはね、ネズミ捕りだよ。ここにチーズを乗せて、床に置くだろう?ネズミがチーズにつられて、このバネを踏むと…」おじさんが、ボールペンをネズミに見立てて説明してくれる。「こうなるわけだ」
反対側のバネが、起き上がり、ボールペンがバネに挟まれる。
トムとジェリーでお馴染みの、アレか。
業者は、それをいくつか置いて、また出て行った。
このネズミ捕り。バネを戻せが何度でも使えるから、便利。
「クールの出番も、あんまりないかもね」