怪談短編集




 さて、本題に戻ろう。



 梯子が揺れて、バランスを崩した僕がどうなったか。



 簡単だ。


 梯子から落下して、ペンキをそこいら中にまき散らしてしまった。



「あンの、クソ猫め!」



 ジャスティンが、地団駄を踏む。犯人は、大叔母さんに忠実な野良猫か。



 まぁ、大体予想は付いたけど。



 だって、僕らが大叔母さんの家で悪戯をすると、決まって、アイツが邪魔するんだもの。



「何の騒ぎかい、地震かい?」



 オレンジのモジャモジャ頭のふっくら太ったシルエット。



 間違いない。



 大叔母さんだ!


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