怪談短編集

 いつの間に眠っていたんだろう。気がつくと、向こうに大鎌を持った何かがいた。

 殺さないで!!

 強く願ったその時、大鎌を持ったそれが園内のスタッフに変わった。

「足元にお気を付け下さい」

 彼に言われて、ジョンは苛々した。別に大差ない段差のどこに気をつけろというのだろう。年寄扱いされている気がして腹が立つ。

「あ、ジョン!!ジョン?」

 エリンだ。彼女が駆け寄ってきて、首を傾げる。

「ジョン、何があったの?酷い恰好!それに、どこに行ってたの?」

 彼女が叫ぶ。

「ジョン、何があったんだよ?酷い顔!!」

 ジルも言った。どこに行ってたか、だって?それはこっちのセリフだ!!

「何言ってんだよ。それは俺が言いたいよ、二人とも、どこに行ってたんだ?」

 口から出たのはしわがれた声。
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