怪談短編集

 腹が立つ。だが、ここは抑える。

「いいこじゃねえか」

 兄が部屋に入って来た。

「ん?何だ、これ」
「触っちゃダメ!それ、愛衣の!」

 CDだった。

「何だよ」

 兄は部屋を出て行った。

 この人形、どうしよう。

 ふと人形を見て、梨子は声をあげそうになった。

 暗闇に浮かぶ、人形の目。

 まさに、人間の目だ。

 人形と、目が合った。
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