【完】七夕〜六色目のあなた〜

「もしもし……?」



『おう、元気だったか?』



「うん。元気だよ」



別れたなんて思えないくらい、彼からの電話はいつも通りで、一年も経っていたはずなのに、話をしたのがつい最近のような。

そんな錯覚までした。



『今年も、飾ったんだ』



「もしかして、笹飾?」



『うん。今年は兄貴の子どもも一緒になって作ったから、かなり豪勢だよ。写メ送ったから見てみて』



「うん、ありがとう……」



私は電話を切ってメールを確認した。


< 4 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop