覚醒彼女~君と生きたい~
「なんか、マナさん…。寂しい瞳をしていたね。」


方舟の中でノアは、ぽつりと呟いた。


「…そうだね。」


僕はマナさんを、思い出した。

マナさんの瞳はどこか寂し気だった。


笑顔だけど心のどこかで、何かが欠けていた。


平和の地と呼ばれていようとも、人の心は荒んでいたのかもしれない。


「ね、ここからは歩かない?」

ノアが方舟から下を覗き込み、そう提案した。


「ここから?」


僕は覗き込みその提案に疑問をもった。


だって、そこは足場も悪くて近くを流れる川はもはや川とはいえない。


少し離れたところには小屋が点々とある。


こんなところに人が住めるのか?と考える。


 ロックさんは本当にこんなところに住んでいるのか?




< 51 / 84 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop