好きって言えよ[恋愛短編集]




洋平は高校一年の頃から高校二年になった今まで、
ずっと一人の女の子を一筋に想い続けてきた。




それを一番近くで聞いていて、
洋平が彼女をどれだけ好きか、誰よりも知っているのは私。




噂で彼女も洋平が気になっていると聞いたのはつい先日のことで、
彼女を屋上に呼び出す手紙を置いてきたのは今日の朝。




手紙を置くあの瞬間まではあんなにも叶えば良いと思っていたのに、
なぜだか叶わないで欲しいだなんて今は願ってしまっている。




「彼女、待ってるんじゃない??」




「…うん。」




「早く行ってあげなきゃ。


風邪引いちゃうよ。」




「…うん。」




微妙に空く沈黙が居心地悪い。




「あのさ、千夏。」




「…何??」




「俺にも…千夏の恋、応援させてよ。


ここまで話聞いてくれたりしたお礼。


誰かそういう相手居ないの??」




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