風味絶佳~嘘からはじまる2人の関係~
結局、私はそのまま車まで彼に支えられて歩いた。

車に着くと助手席の扉を開け、私を抱きかかえる。

自分で乗れると主張しようとしたけど、結局やめた。

彼がそうしたそうだったから。

座席に乗せる瞬間、彼の顔が目の前に近付く。

2人の目が合った。

私の心臓は、ドキドキを隠せない。

一瞬、彼の目に熱いものを感じた。

でも、すぐにそれは消えてなくなる。

「・・・ありがとうございます。」

私が小さな声でお礼を言うと、頭をポンポンと撫でられた。

何か、小さい子供をあやしてる見たい。

その行為は嬉しいのに、子供扱いされてるみたいで複雑な気分。

彼の手で、私からはそのときの彼の表情が見えない。

運転席に回ると、彼はすぐにエンジンをかけて車を発進させた。


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