風味絶佳~嘘からはじまる2人の関係~
「君は何をそんなに躊躇してるんだ?
俺と一緒のベッドに寝ろとでも言われると思っているのか?
安心しろ、部屋なら沢山ある。」

若干不機嫌気味に俺は言う。

「そんな!?思ってません!!安曇さんが私なんて・・・。
私に興味がないことくらい分かってますから・・・。」

そうか、思ってないのか・・・。

初めから俺は対象外だと。

それはそれで困るのだが。

「じゃあ、心配ないだろう。
今日は俺の家に泊まりなさい。」

「でも・・・・・・。」

彼女はまだ食い下がろうとする。

だが俺にはそんな気、更々ない。

「もうこの話は終わりだ。
気付いてないかもしれないが、もう着いたぞ。」

「え!?」

慌てて彼女が窓の外を見る。

車は既に、俺が住むマンションの駐車場にいた。

そして、いつもの所定位置に収まっている。


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