風味絶佳~嘘からはじまる2人の関係~
もう限界だ。

俺は彼女の顎を手で持ち上げ、俺の方を向かせた。

そして、彼女の唇を塞ぐ。

「安曇さん!!や・・・ッ。」

彼女は俺の腕の中で必死にもがく。

だが、俺は放してやらない。

そして、口づけは深く深く。

「あ・・・・んっ・・・!!」

彼女の時折漏れる苦しそうな吐息。

ずっと触れたかった唇。

「安曇さんじゃないだろう・・・薫。恋人同士なのに苗字で呼んでるのは不自然だ。」

「・・・そんなの・・・急に・・・無理・・・です。」

俺は否定の言葉は欲しくない。

「じゃあ、仕方ないな。」

そう言って、俺はもう一度薫の唇を塞いだ。


「んっ、・・・おね・・・が・い、止・め・・て・・・、陽・・斗・・・さん。」

やっと彼女が俺の名前を呼んだ。

ああ、良い響きだ。

一端彼女を開放してやる。

思う様に得ることのできなかった酸素を取り込むべく、彼女の息が上がる。

「良い子だ、これからはそう呼ぶように。」

そして彼女の息が整うのを待たずに、俺は再び彼女の唇を塞いだ。





< 46 / 141 >

この作品をシェア

pagetop