風味絶佳~嘘からはじまる2人の関係~
「おい、大丈夫か?飲むペース早すぎるぞ。」

隣に座る上原先輩が私をたしなめた。

でも、私は

「良いんです、飲みたい気分なんですから。
先輩も一緒に飲みましょう!」

そう言って、空になってる先輩のコップにビールを並々注いだ。

先輩は面白いものでも見たかの様な顔をした。

「原因はあれか?そんなに気になるなら、奪い取って来いよ。
お前ら付き合ってるんだろう??」

そういって、目だけで促した。


そんなこと出来ません。

だって、本当に付き合ってる訳じゃないんだから・・・。


結局、あの後上原先輩にはばれてしまった。

まあ、当然なんだけど・・・。

だから先輩は、私と安曇さんが付き合ってることを知っている。

勿論、これがお芝居だということは知らないけど。

私は先輩に口止めした。

誰にも言わないでって。

あのとき、事務所にいたのが先輩だけで本当に良かった。

そして、彼はその約束を守ってくれている。
(今のところ、誰にも気付かれてなさそうだから・・・。)



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