LOTUS~あなたに出会えたから~
「ちゃんと着替えて行きますから。」

いつも周りの人をからかっては楽しんでいる彼に私はサラっと答えた。

トイレで着替えて、メイクを直しながら時計を見ると本当に遅れそうな時間になっていた。

松岡さんに「行ってきます」とだけ挨拶し、慌てて事務所を出た。

薄明るい夏の夕方の繁華街を小走りに通り過ぎ急ぐ。
約束の時間ぎりぎりに、そのゴシックダイニングに到着した。

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