君色Diary
「風見先生、別れた彼女が他の男と歩いてるのを見たからって、八つ当たりはダメですよ」


「なっ!!なんでそれを……!!」


「陽向に聞きました」


「瀬戸ぉぉぉ!!!」



空くんの言葉に、風見先生は立ち上がって陽向くんのもとへと走っていく。

すると、いつの間にか陽向くんと先生の追いかけっこが始まって。



「七海、お疲れ様」



必死に逃げる陽向くんと、それを追いかける風見先生を見てクスクスと笑っていれば、ポンッと頭に置かれた手。

それに顔を上げれば、微笑んだ空くんと目が合って。



「あっ、違うの!結局、あたし、何も言えなくて……。先生が代わりにズバズバと」


「……ってことは、先生は七海と同レベルってことだな」


「えっ!?」



驚いて空くんを見れば、楽しそうに笑われる。

そしてくしゃっと頭をなでられたかと思うと、もう一度、「お疲れ様」と言われて。



「今日は黄緑のペンで、日記書いてあげたら?」


「うんっ、そうする!」



フッと笑った空くんに、あたしもニコッと笑って返した。


今日の日記は、これで決まり。


“葉月と陽向くんが上手くいきますように”ってね。


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