君色Diary
「夏休みになると、空くんたちと会えないなって……」


「…………」



あたしはそう言うと、3回目のため息をつく。


葉月は遊ぶこともあるけど、部活で忙しいし。

陽向くんも部活だし。

なにより、空くんに会えないのは寂しいな……。

今更だけど、空くんと知り合って、まだ一ヶ月だし。

なんか、夏休みを挟むと、距離が開いちゃう気がするんだよね……。

せっかく、これだけ話せるようになってるのに……。


そんなことを考えながら、「うーん…」と机に突っ伏せば、ポンッと頭に置かれた手。

それに空くんの方へ向ければ、空くんは口元に片手をやりながら、あたしから視線を逸らしていて。



「空くん?」


「……だったら、夏休みも学校来ればいいだけだろ」


「え…?」


「俺、夏休みも陽向の相手するために学校来んの。だから…七海も来ればいいんじゃねぇの」


その言葉に、ドキッと胸が跳ねる。

それと同時に、段々期待で胸が膨らんで。



「……いいの……?」


「……良くなかったら誘わないから」



おずおずと空くんを見れば、照れたように、頬を少しだけ赤く染めながら、クルッとあたしの方へ振り返ってくれる。

そして無言で、髪をくしゃっとなでられた。



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