君色Diary

茉莉花ちゃんと会った日だから、イメージカラー……。

ちょっと儚くて、でも優しくて、可愛い……薄紫、かな?


そんなことを考えながら、筆箱を探してみるものの、カラーペン専用の筆箱は見つからなくて。



「……い、家に忘れた……!!」



他のペンを探してみるものの、あったのは普通の黒ペンだけ。


き、今日だけは、黒色は使いたくなかったのに……!!

せっかく、明るい気分でいこうと思ってたのに……!!



「……しょうがない、か…」



ため息をついてから、黒色で書き出す日記。

目の前には、飲みきってないレモンソーダが置いてあって。



「……空くん……」



透き通った青い空。

ミーン、ミーンとうるさく鳴くセミに、あたしの声はかき消されて。


思わず止まっていたペンからは、黒色がじわじわとにじみ出ていた。


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