君色Diary
どこにいるんだろ……。
茉莉花ちゃんって、何組なの?
補習してるなら、自分の教室のはず……。
タッタッタッと廊下を駆け回る。
色んな考えが思い浮かぶものの、あたしが知っている情報は少なすぎて。
あたし、茉莉花ちゃんのこと、知らなさすぎだよ……。
茉莉花ちゃん、あんなにたくさん、しゃべってたのに……。
ちゃんと二人の会話、聞いておけばよかった……。
二人が隣同士で笑い合っていただけで、苦しくなった胸。
だからあたしは、二人がしゃべっている内容なんて、全然聞いてなくて。
「……いない……」
いそうな場所を、ほとんど行ってみたものの、見つからない二人の姿。
もしかしたら、図書室に戻ってるかも……。
そう思って踵を返そうとしたとき、不意にどこからか声が聞こえた。