君色Diary
何度も何度も打ちあがる花火。

ゆっくりと離れた唇は、またゆっくりと重なって。



「………ん…」




下からすくうように、優しくキスされる。


引き寄せられた体は、いつのまにか抱き上げられていて。



「……大好き」



そう呟いたのは、どっちの声か、わからない。



何度も何度も、回り道をして。

だけど、無駄なことはきっとなにもなかった。

その分、気持ちは大きくなったんだから。



重なるふたつの影は、なかなか離れなくて。


そんなあたしたちを、何色もの花火が、ずっと照らし続けた。



< 352 / 373 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop